2022年7月も終わりで、記録的な大雨となっている地域があり、また、台風の時期が近づいてきていますが、台風による江戸川区の水害との関係で、2022年5月20日の読売新聞で「避難所で雑魚寝いつまで」という見だしで、災害時の避難所の避難環境問題について解説がなされていたことを思い出しました。その記事では、問題点の一つとして「仮設トイレ 7割が和式」という見出しで課題が説明されていて、「災害・仮設トイレ研究会の調査によると、貸し出し可能な仮設トイレの7割超は和式という」との記載がありました。江戸川区は地震や水害などの災害の発生する可能性が高い地域ですので、この仮設トイレの課題について調べてみました。
まず、災害・仮設トイレ研究会のサイトを見てみました。この「一般社団法人 日本トイレ協会」「災害・仮設トイレ研究会」のページでは、この研究会につき「一般社団法人 日本トイレ協会の下部組織として、災害時のトイレ事情の改善を目指して様々な活動を行うことを目的とする組織です。」とされていました。そして、この「一般社団法人 日本トイレ協会」のサイトのなかに、「第3回セミナー「うんと知りたいトイレの話」報告」(2021年7月3日)があり、災害時の避難所トイレ事情として、以下の内容が記載されていました。
「仮設トイレの第1陣は、レンタル会社の余剰在庫から出荷される。現在流通している仮設トイレは元々和式トイレが洋式トイレよりも多いのだが、余剰在庫は人気のない和式の確率が非常に高い。仮設トイレでは和式74%、洋式26%というデータがある。国交省はトイレの洋式化に取り組んでいる。快適トイレという。これに倣って、全国の多くの自治体でも快適トイレへの予算化を行う事例が増えるような動きが出ている。」
このデータからわかるように、避難所トイレ事情としての悩みとしては、仮設トイレの多くが和式で高齢者や障害者の方々にとっては、使用が難しい状況が発生することです。用便の回数を抑えようとして食事を減らし、脱水症状や栄養失調になるリスクがあります。現在、国や地方自治体は洋式仮設トイレの確保を進めていることが、読売新聞の記事で報道されていましたが、まだまだの状況のようです。江戸川区においては地震や水害などの災害の発生の可能性が高く、避難所仮設トイレの問題は現実的な課題であると思われます。そこで、別途、高齢者や障害者の方々の避難所生活での障害をなくすために、江戸川区がどのような対策をしているかについて確認をしてみたいと思います。(筆者金井たかしのプロフィール)
自治体スクールコンプライアンス研究所 (東京都江戸川区)
代表 弁護士 金井高志(金井たかし)
(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)
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