まちづくり

「江戸川区」の区の名称の由来

2022年9月1日に「江戸川区の誕生から90年」のブログ記事を書いています。そして、今まで、江戸川区の地名の由来をいくつも調べてきていますが、そもそも、「江戸川区」の区の名称の由来については確認をしていませんでした。そこで、今回は江戸川区の区名の由来について確認してみることにします。(下は昔の江戸川区の区域の地図です。まだ荒川放水路はありません。)

昭和7年(1932年)10月1日、市郡併合によって、従来の小松川町・松江町・小岩町・葛西村・瑞江村・鹿本村・篠崎村の7ヵ町村が合併して、江戸川区が生まれました。

まず、江戸川区の区名の由来は区の東端を南北に流れる「江戸川」からそのまま採られたものです。当初、当時の東京市では区役所設置予定地を区名として採用することを原則としており、旧松江町が区役所設置予定地であったことから、区名としては「松江区」が検討されていたのです。しかしながら、「松江」の名前があまり知られていなかったことから区の東端を流れる江戸川にちなんで「江戸川区」と命名されたのです。

それでは、そもそも「江戸川」という名称の由来を何なのでしょうか。もともと「江戸川」は、太日河[ふとひがわ・ふといがわ](または太井川[おおいがわ])と呼ばれていました。太日河という名称は「太政官符」(承和2年=835年:平安時代)という文書に見えるものです。

ただ、この太日河がいつから「江戸川」という名称に変わったのかは明確ではありませんが、寛永17年(1640年)の利根川の川筋の大改修以降、太日河が江戸に入る物資の主要な運行路として栄えるようになって、「江戸に通ずる川」という意味から「江戸川」の名で呼ばれるようになったと考えられています(『江戸川地名の変遷とその集解』「九、河川等の名称について」を参照]。

次に、根本的なところで、「江戸」の地名の由来を見てみると、『角川日本地名大辞典』には「地形的に入江(日比谷の入江)の門戸にあたっていたことによる」と記されています。すなわち、「江戸」は江(川)の戸(入り口)という意味なのです。

「江戸川区」の「江戸川」は東京の旧名称の「江戸」に由来する地名です。このように見てくると、「江戸川区」の名称は大変素晴らしいと思えるものです。(筆者金井たかしのプロフィール

「金井たかし 江戸川区の政策研究(金井たかし公式HP)」 (東京都江戸川区)

弁護士 金井高志(金井たかし)

(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学法学部・大学院教授)

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