教育

デジタル教科書の種類 指導者用と学習者用

2022年7月31日の「文部科学省の『デジタル教科書』の意味」の記事でデジタル教科書の意味の説明を書いています。文部科学省が定めるデジタル教科書の定義としては、学習者用デジタル教科書について「紙の教科書の内容の全部(電磁的記録に記録することに伴って変更が必要となる内容を除く。)をそのまま記録した電磁的記録である教材」とされています(法律上の意味・狭い意味の「デジタル教科書」)。つまり、紙の教科書と同じ内容がデジタル教科書に記載されているということになります。

このように、まず、「学習者用デジタル教科書」とは、子どもたちが学校の授業で使用できることを前提に、紙の教科書と同じ内容をタブレットやノートPCで表示できるよう電子化した教材のことです。ただ、ここで「『学習者用』デジタル教科書」とされているように、「デジタル教科書」は、大きく「指導者用」「学習者用」の2つに区分されています。今回はこの二つの区分の説明をすることにします。

デジタル教科書の種類 指導者用と学習者用

(1)指導者用デジタル教科書

教員向けに開発されたデジタル教科書。使用する際は、おもに電子黒板やプロジェクターなどを使用して拡大表示などできる情報提示型での活用がメインとなるものです。

(2)学習者用デジタル教科書

児童・生徒が使用するためのデジタル教科書。児童生徒がひとり1台のタブレット端末を使用して学習することが前提とされているものです。

現在、文部科学省では学習者用デジタル教科書についての実証実験を実施していて、この実証実験を通じて、紙とデジタル化した教科書を併せて使用することで、両者の役割分担や導入効果を検証した後、2024年度から本格的な学習者用デジタル教科書の導入を目指すものとされています。

GIGAスクール構想による1人1台タブレット端末配布は、コロナ禍の影響により、現在9割以上の自治体で導入されてきています。ただ、江戸川区の状況を含めて全国的にタブレットの「活用」のフェーズにはまだ移行しきれていない状況であると思われます。文部科学省の実証実験結果を踏まえた2024年度からの本格的な学習者用デジタル教科書の導入に備えて、指導者用デジタル教科書の整備をまず行うことが大切で、江戸川区を含めて多くの地方自治体でこれから対応がなされていくものと思われます。(筆者金井たかしのプロフィール

自治体スクールコンプライアンス研究所 (東京都江戸川区)

代表 弁護士 金井高志(金井たかし)

(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)

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